上善如水とは?

●老子 ― 春秋時代(前550年頃)の思想家、孔子のやや先輩
●厳しい現実を生きる箴言集
●処世の知恵 ― 自分を誇示することなく、いつも謙虚であれと説く
※春秋時代(前770年〜403年)八百諸侯が猛烈に食い合いを演じた時代。
『上善は水の如し。水は善(よ)く万物を利して争わず。衆人の悪(に)くむ所に居る。』
| |
『最も理想的な生き方は、水のようなものである。水は万物に恩恵を与えながら相手に逆らわず、人の嫌がる低い所へと流れていく。』


<理想的な生き方とは> ― 水の持つ三つの特性に学ぶ ―
1.謙虚さ
 ・水がなかったら動植物はおろか、人類も生存できない。
 ・水は大きな働き(万物を利す)をしていながら、いささかも自分の功績を鼻にかけな
  い。
 ・水は誰でも嫌がるような低い所、低い所へと流れていく。
     =そのあり方たるや、きわめて謙虚である。
2.柔軟性
 ・丸い器に入れると丸い形になり、四角な器に入れると四角な形になり
 (水は方円の器にしたがう。)、相手の出方に応じていかようにも対応していける。
     =頭脳は柔軟に、行動は機敏に
3.秘めたるエネルギー(力強さ)
 ・水は一見静かだが生々流動してやまないダイナミックな一面を持っている。
  急流ともなれば、堅い岩石さえ打ち砕いてしまう。そういう秘められた力を持ってい
  る。
     =柔軟な対応を心がけながら、いざとなれば秘めたるエネルギーを爆発
       させてぶつかっていく。そういう、力強さが望まれる。